2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

加藤元一郎:第4章:記憶障害と健忘症のリハビリテーションはここまで変わった.高次脳機能障害の臨床はここまで変わった,2002

1.健忘症候群 ・障害―エピソード記憶 ・相対的に保持―短期記憶、意味記憶、潜在記憶 ・定義(p.80) (※定義の問題点としては正常と異常のカットオフ得点が決定されていないこと) 1)知能が正常(知能検査の成績が正常範囲内). 2)スパンは正常(基本的…

河村満:第3章:ヒトの地理感覚機能の新しい理解―街並の記憶と道順の記憶.高次脳機能障害の臨床はここまで変わった,2002

1.街並み失認 ・熟知した街並みの形態的認知は可能だが、同定が不可能。道順の想起は可能。 ・責任病巣は右舌状回 ・機序:側頭後頭内側―海馬系の障害2.道順障害 ・熟知した建物・風景の同定は可能だが、道順の想起が不可能。 ・責任病巣は右脳梁膨大後域 …

第2章:痴呆とそのリハビリテーションはここまで変わった.高次脳機能障害の臨床はここまで変わった,2002

・痴呆の治療アプローチ 薬物療法 中核症状:塩酸ドネペジル 周辺症状(精神症状・行動異常):抗鬱薬、抗精神病、脳循環改善・代謝賦活剤、抗Parkinson病薬 etc その他:Estrogen、銀杏エキス、抗炎症薬 etc非薬物療法 環境調整 認知リハビリテーション:現…

「高次脳機能障害」第1章:言語情報処理の考え方から失語症を捉えなおす―障害メカニズムと訓練法.高次脳機能障害の臨床はここまで変わった,医学書院,2002

・失語症の定義:記号と意味との間のdecoding、encodingの障害 ・従来の失語分類には症状(現象)が同一でも障害メカニズム(原因)が同一であるとは限らないという視点が欠けていた ・処理過程による失語の分類:①語音弁別・認知障害型、②音韻処理(音韻の…

宇野 彰 , 波多野 和夫 :高次脳機能障害の臨床はここまで変わった,医学書院,2002

p.Ⅴ 「一般に神経心理学というのは大脳の損傷部位と症状を対応させる学問です」

GDS(The Global Deterioration Scale)

段階1:認知低下なし; 記憶の欠落の自覚的な訴えがない。臨床面接において明白な記憶の欠落がない。段階2:非常に軽度の認知低下(加齢による記憶機能低下); この領域における主訴は a.見慣れた物のおき場所を忘れること b.よく知っている者の名前を…

加我君考:聴覚大脳インプラントは可能か ―聴皮質の解剖と電気生理の視点から―.耳喉頭頸75:194-200,2005(増刊号)

(p.197) このBrodmannの挙げる一見極めて奇異な事実,すなわちTC領がヒトを除き,サルを含む他の全ての動物に欠如するという主張に対して,EconomoとKoskinasは,これは驚くべきことではなく,「恐らくこれはヒトにおける聴覚作用が特に人間においてのみ特…

注意

注意とは「さまざまな外的・内的刺激や情報の中から、その時々の環境や状況において、一定の必要な刺激や情報を選択し、そして持続性、一貫性、柔軟性をもたせる機能」(p.412) 覚醒水準 持続的注意 選択的注意 転換的注意 配分的注意 刺激の制御機能 浜田…

相馬芳明,田邉敬貴:神経心理学コレクション 失語の症候学.医学書院,2003

「ブローカ失語は純粋語啞とブローカ領域失語の合併症状であると考えるのが最も自然であろう」(p.14)「伝導失語の主症状は音韻性錯語である。また言語性短期記憶の低下も伴う」(p.17) 「D.Benson(1679)は,ブローカ失語,ウェルニッケ失語,伝導失語を…

五十嵐浩子,小嶋知幸,佐野洋子,加藤正弘:失語症の回復における大脳対側半球の役割について.高次脳機能研究24:353-359

説:失語症の機能回復についての大脳生理学的機序 ①損傷部位周辺の機能回復、再構築される ②対側の大脳半球、対応する部位に機能が再構築される ③発症初期は病側の機能回復、長期では反対側に機能回復される 症例:左脳損傷後失語、約8年にわたる回復後、右…

日向礼子:発語失行と発声失行.音声言語医学45:304-308,2004

「喉頭運動失行という概念についても今後検討できるかと思われる」(p.307)

JOEL C.KAHANE:発話メカニズムの解剖と生理.監訳,新美成二 訳,西尾正輝,1998

第3章:抹消の発話メカニズム1.呼吸器系 ・上気道と下気道 上気道:鼻腔、口腔、咽頭、喉頭で構成 下気道:気管、気管支、肺、これらの周囲組織で構成(肺を含めない定義もある)・発話時の機能 日本人:1分間の呼吸数、成人12〜24回。1回呼吸気量は平…

JOEL C.KAHANE:発話メカニズムの解剖と生理.監訳,新美成二 訳,西尾正輝,1998

第2章:神経系1.神経系の生理・膜電位 細孔:代謝によって開閉の調節がされる 細胞内液:カリウム・イオン多、ナトリウム・イオン少 細胞外液:カリウム・イオン少、ナトリウム・イオン多 ・神経インパルスの発生 不応期:再分極が完了するまでは細胞膜の…

JOEL C.KAHANE:発話メカニズムの解剖と生理.監訳,新美成二 訳,西尾正輝,1998

第1章:基礎科学 1.序論2.細胞と組織・結合組織 「軟骨基質には直接に血液が供給されていないために,栄養素が軟骨膜から基質を通して細胞に拡散することによって栄養されている」(p.9)・筋組織 黄紋筋striated muscle:骨格筋、随意筋を形成 平滑筋s…

目で見る解剖生理 vol.1

>>http://www.igakueizou.co.jp/product/igaku/igaku_np.html 大脳新皮質 投射野:出生時髄鞘化されている 連合野:出生2〜数ヶ月で髄鞘化始まる 6層構造 第Ⅲ層:連合野への出力 第Ⅳ層:入力 第Ⅴ層:錐体路の始まり(?) 第Ⅵ層:視床へ 大脳基底核:スムー…

連合野

連合野:新皮質において運動・感覚野を除いた領域。高次脳機能を担当する。1:皮質 新皮質(等皮質):6層構造 不等皮質:6層構造でない異形皮質:6層の厚さまちまち 同形皮質:6層がほぼ同じ厚さ<6層構造> ①表在層(molecular layer) ②外果粒細胞層…

山鳥重:ヒトはなぜことばを使えるか 脳のふしぎ.講談社,1998

こころ 「心を定義するのはなかなか難しい。無理を承知でやっつければ、脳が自己の内部からの物理化学的な神経情報(自律神経系や筋肉・骨格系からの神経情報)や、外部からの物理化学的な神経情報(皮膚、味覚、嗅覚、聴覚、視覚などからの神経情報)を処理…

山鳥重:ヒトはなぜことばを使えるか 脳のふしぎ.講談社,1998

「動物の心の動きは行動(運動)に現れる。行動は決して特定の刺激に対する反応ではない」(p.6)「失語症の症状はそのような複雑に入り組んだ、脳・心・ことばの関係を探る貴重な窓である。有機体たる人間は、自分の脳が損傷し、その結果出現した心や言語の…

渡辺行雄:疾患13 メニエール病.CLIENT21−21世紀耳鼻咽喉科領域の臨床―5.内耳・内耳道,中山書店,2001

<診断基準> メニエール診断の手引き(厚生省特定疾患メニエール病調査研究班,1974改訂) 1)めまい発作を反復する 2)めまい発作に難聴,耳鳴などの蝸牛症状が随伴,消失する 3)これらの症候をきたす中枢神経疾患,原因既知のめまい,難聴を主訴とす…

メニエール病②

渡辺行雄:疾患13 メニエール病.CLIENT21−21世紀耳鼻咽喉科領域の臨床―5.内耳・内耳道,中山書店,2001

<症状> ・「めまいに蝸牛症状が随伴する疾患」(p.319) ・めまい10分〜数時間継続 ・めまい発作時:嘔気、嘔吐など自律神経症状を伴うことあり ・肩凝り、頭痛(軽度)が加わることもあり ・意識障害、複視、視力障害、知覚・運動障害などの中枢神経症状…

メニエール病①

Marcelo Bethier:超皮質性失語.波田野和夫監訳,新興医学出版,平成14年

・検査 TCAの境界点(cut−off score)を提示しているバッテリー ・NCCEA(神経感覚センター失語包括検査:Neurosensory Center Comprehensive Examination for Aphasia) ・WAB(西部失語症検査:Western Aphasia Battery) ・BDAE(ボストン失語診断検査:B…

超皮質性失語②

Marcelo Bethier:超皮質性失語.波田野和夫監訳,新興医学出版,平成14年

・症状 TCMA 分類:古典的、力動失語、非定型 古典的TCMA: 発病初期、完全な無言or辞発話の著しい減少。無言症は一過性。 自発話の回復→散発的な発話、単語や何度も学習された句にとどまる。 発話開始の努力(effortful initiation)、躊躇、言語保…

超皮質性失語①

鈴木淳一,小林武夫:耳科学―難聴に挑む―.中央公論新社,2001

<おまけ> 「耳介のもう一つの作用は放熱作用である。ウサギやフェネックギツネ(北アメリカの砂漠にする)は耳介が大きい。耳介には血管が豊富にあり、流れる血液は耳介の両面から冷やされる。アフリカ象は大きな耳介をもち、これを団扇のようにあおいで冷…

耳科学

鈴木淳一,小林武夫:耳科学―難聴に挑む―.中央公論新社,2001

音の三要素 1.強さ・大きさ 強さ(intensity):物理的強さのこと 大きさ(loudness):感覚上の強さ 2.高さ 周波数による。 3.音色 波形による。構造等 ベケシー:基底板の振動の観察分析で1961年ノーベル賞 外有毛細胞、音が入ると一部は伸縮して基…

耳科学