「高次脳機能障害」第1章:言語情報処理の考え方から失語症を捉えなおす―障害メカニズムと訓練法.高次脳機能障害の臨床はここまで変わった,医学書院,2002

失語症の定義:記号と意味との間のdecoding、encodingの障害
・従来の失語分類には症状(現象)が同一でも障害メカニズム(原因)が同一であるとは限らないという視点が欠けていた
・処理過程による失語の分類:①語音弁別・認知障害型、②音韻処理(音韻の選別・配列)障害型、③語彙・意味処理障害型、④構音運動プログラム障害型、⑤文字処理障害型

・流暢/非流暢尺度の問題点
例えば、グッドグラスは流暢を1回の発話が5個以上の単語を流暢性、1、2語のみを日流暢とした。ベンソンは1分間あたりの語数、ポーズの長さ、保続の有無等で分けた。
しかし問題点として、言語処理過程の要因の違いや重症度の変化で変わるため、何を鑑別しているのか目的がわからなくなる。
・「われわれの日常のコミュニケーション活動に近いレベルでの言語表出訓練を行うためには,複数の文の集合(談話)にencodingされるような複雑な意味内容を非言語的記号で表現した教材が必要となります。そのような場合にしばしば重宝するのが,セリフの付いていない4コマ漫画です。これを用いて一連の4枚の絵が表現している全体的な意味(ストーリー)に対して,最低4つの文からなる1つの談話を構成していくという練習をします」(p.18)
・「漢字単語の音読や仮名振り」という訓練をよく用います.意味を理解できた漢字の音読や仮名振りという作業は,言語表出すなわちencodingの訓練と考えることができます.(p.18)(どのレベルかよく考える。健常とは違うはず)