2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

アルツハイマー型痴呆(ICD-10)

A.多彩な認知欠損の発現で,それは以下の両方により明らかにされる. (1)記憶障害(新しい情報を学習したり,以前に学習した情報を想起する能力の障害) (2)以下の認知障害の1つ(またそれ以上): (a)失語(言語の障害) (b)失行(運動機能が…

今泉敏:吃音の脳科学.言語聴覚研究2:79-87,2005

○脳機能画像法による吃に関する研究からの原因論 ・非優位半球(右半球)の発話運動関連領野の過剰な活動を原因とする仮説 ・大脳運動野と小脳、視床、大脳基底核が構成する発話運動制御系の過剰活動を原因とする仮説 ・大脳基底核における神経伝達物質ドー…

吃音の病因論

素因論(破壊説、器質論):大脳半球優位説、耳聴理論 環境論(学習説):診断起因説、二因子学習説 欲求抑圧説(神経症説) 一部のみ

失行apraxia

Apraxiaの診断Liepmannの定義 1.運動障害(マヒなど)・了解障害(失語)・認知障害(失認)がないorでは説明できない。 2.課題意図の理解障害(痴呆)・意欲の障害がない。 3.指示された運動や物品使用を誤る。実際の診断 1.痴呆などとの鑑別が可能…

脳の発生

・前脳prosencephalonから終脳telencephalon(大脳cereberum)と間脳diencephalon(視床thalamus+視床下部hypothalumus) 内腔:終脳telencephalonは側脳室lateral ventricle、間脳diencephalonは第3脳室third ventricle ・中脳mesencephalonはあまり発展…

永井知代子:Williams症候群の神経心理学.神経心理学20:136-145,2004(特集「発達心理学」)

要旨:Williams症候群(WS)は第7染色体の半接合体欠失による隣接遺伝子症候群である.言語機能良好/視空間認知不良など特異な認知機能パターンをとることから,近年認知神経科学分野で注目されている.当初は言語・視空間認知など認知モジュールの生得説…

増本康平,高井恒夫:被験者実演課題を用いたAlzheimer病患者のエピソード記憶に関する研究.神経心理学18:239-246,2002

アルツハイマー病患者、高齢者、若年者を対象。 言語課題(VT)、言語/道具課題(VT/O)、実験者実演課題(EPT)、被験者実演課題(SRT)を実施。材料:行為文 言語課題(VT):口頭で提示した行為文を記銘。 言語/道具課題(VT/O):言語提示と同時に行為…

酒井邦嘉:言語の脳内処理機構.高次脳機能研究25:153〜164,2005

(p.56) 「特殊な強化トレーニングを長期間実施することなく、実質わずか30分程度のトレーニングをした際に、学習途上で脳機能がダイナミックに変化することを明らかにした」 (p.56) 「大脳皮質が成人で完成するのではなく、大人になった後も脳が機能的に…

池谷裕二:記憶力を強くする 最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方.講談社.2001

海馬の信号の流れ 「側頭葉」→「歯状回」→「CA3野」→「CA1野」→「側頭葉」 海馬に記憶がとどまっている期間は長くても1ヶ月程度。 θ波:主に海馬から発せられる脳波。5ヘルツで規則的なリズムをもつ。θ波が発生するとき。 新しいものに出会う。 初めての場…

池谷裕二:記憶力を強くする 最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方.講談社.2001

(p.66,67) プライミング記憶が発見されたのは1980年代のことで、それ以前には存在すら知られていなかったのです。そこで、プライミング記憶について説明する前に、簡単な実験をしてみましょう。まず次の文章を読んでみてください。これはアメリカが生んだ…