2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『言語と脳』抜粋(2)

杉下守弘:『言語と脳』紀伊国屋書店,1985 (p.11,12) ピポクラテス集典はさらにつづけて、心臓が精神の座でないことを、次のように説明している。「ある人びとは、われわれは心臓でものを考えるという。また、苦痛を感じたり悲しんだりするのも心臓である…

『言語と脳』抜粋(2)

『言語と脳』抜粋

杉下守弘:『言語と脳』紀伊国屋書店,1985 (p.10‐12) 精神の座は脳であるとする話は紀元前約五世紀頃、アルクマイオン(alkmaion)によって唱えられたのが最初であるといわれている。しかし、彼はまた、脳は精液を産出する器官であるという奇妙な珍説を受…

『言語と脳』抜粋

月浦崇:記憶の神経基盤解明のための複合的アプローチ:非侵襲的脳機能画像法と神経心理学的方法. 高次脳機能研究24:129-138,2004

「側頭葉内側面の広範囲な領域の中でも、とくに海馬傍回が記憶の想起時における連合プロセスに重要であることが示された」 「ひとつのエピソードを体験する際,通常異なった種類の感覚様式や情動などの要素を同時に脳内で処理する必要がある。後にひとつの特…

健忘症候群の症状を示す可能性のある疾患(すなわちイコール健忘症候群とはいえない)

・脳血管障害 ・脳腫瘍 ・頭部外傷 ・変性疾患 ・感染症(ヘルペス脳炎、エイズ脳症など) ・代謝疾患(無酸素脳症、糖尿病など) ・中毒または欠乏(サイアミン欠乏によるコルサコフ症候群など) ・てんかん ・精神疾患(解離性健忘、うつ病など)※精神疾患…

健忘症候群の症状を示す可能性のある疾患

安野史彦:海馬セロトニン系と顕在記憶.高次脳機能研究24:119-128,2004

・コリン系・グルタミン系システム:注意・学習・記憶機能など認知過程に関与(Wiklenら1995,Tangら1999) ・セロトニン系:高次の認知過程において重要な役割(Meneses2000)「海馬に限局した後シナプス5-HT1A受容体が顕在記憶機能に対して抑制的な影響を…

安野史彦:海馬セロトニン系と顕在記憶

作動記憶(Working memory)

健忘症と短気記憶障害では機能の二重乖離がある。 よって、単純に短気記憶が長期記憶の通路というモデルは成立しない。 Baddeleyは短期記憶を、情報を一時的に保持する作業空間と仮定した。 作動記憶の構成 ・中央実行(制御)系(Central executive) ・音…

作動記憶(Working memory)