渡辺行雄:疾患13 メニエール病.CLIENT21−21世紀耳鼻咽喉科領域の臨床―5.内耳・内耳道,中山書店,2001

<診断基準>
メニエール診断の手引き(厚生省特定疾患メニエール病調査研究班,1974改訂)
1)めまい発作を反復する
2)めまい発作に難聴,耳鳴などの蝸牛症状が随伴,消失する
3)これらの症候をきたす中枢神経疾患,原因既知のめまい,難聴を主訴とする疾患が除外できる

診断の基準:
メニエール病確実例 1)2)3)の全条件を満たすもの
疑い例 1)と3),または2)と3)を満たすもの

<治療>
1.発作期
めまい対策:7%炭酸水素ナトリウム静注、鎮吐薬、睡眠鎮静薬、抗めまい剤
不可逆性障害の防止、特に難聴対策:ステロイド、血管拡張薬、ATP製剤、ビタミンB製剤
2.間欠期の対症治療
血管拡張剤、ATP製剤、ビタミンB製剤、精神安定剤、筋弛緩薬(肩凝り)、漢方薬心理療法
3.発作間隔延長
保存的治療:生活指導、利尿剤(尿素、ループ)、漢方薬
手術治療(保存的治療で発作抑制困難な場合)
機能保存手術:内リンパ嚢開放手術
前庭機能破壊:内耳中毒薬剤(ストレプトマイシン、ゲンタマイシン)鼓室内注入、迷路摘出、前庭神経切断手術