記憶

増本康平,高井恒夫:被験者実演課題を用いたAlzheimer病患者のエピソード記憶に関する研究.神経心理学18:239-246,2002

アルツハイマー病患者、高齢者、若年者を対象。 言語課題(VT)、言語/道具課題(VT/O)、実験者実演課題(EPT)、被験者実演課題(SRT)を実施。材料:行為文 言語課題(VT):口頭で提示した行為文を記銘。 言語/道具課題(VT/O):言語提示と同時に行為…

池谷裕二:記憶力を強くする 最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方.講談社.2001

海馬の信号の流れ 「側頭葉」→「歯状回」→「CA3野」→「CA1野」→「側頭葉」 海馬に記憶がとどまっている期間は長くても1ヶ月程度。 θ波:主に海馬から発せられる脳波。5ヘルツで規則的なリズムをもつ。θ波が発生するとき。 新しいものに出会う。 初めての場…

池谷裕二:記憶力を強くする 最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方.講談社.2001

(p.66,67) プライミング記憶が発見されたのは1980年代のことで、それ以前には存在すら知られていなかったのです。そこで、プライミング記憶について説明する前に、簡単な実験をしてみましょう。まず次の文章を読んでみてください。これはアメリカが生んだ…

加藤元一郎:第4章:記憶障害と健忘症のリハビリテーションはここまで変わった.高次脳機能障害の臨床はここまで変わった,2002

1.健忘症候群 ・障害―エピソード記憶 ・相対的に保持―短期記憶、意味記憶、潜在記憶 ・定義(p.80) (※定義の問題点としては正常と異常のカットオフ得点が決定されていないこと) 1)知能が正常(知能検査の成績が正常範囲内). 2)スパンは正常(基本的…

月浦崇:記憶の神経基盤解明のための複合的アプローチ:非侵襲的脳機能画像法と神経心理学的方法. 高次脳機能研究24:129-138,2004

「側頭葉内側面の広範囲な領域の中でも、とくに海馬傍回が記憶の想起時における連合プロセスに重要であることが示された」 「ひとつのエピソードを体験する際,通常異なった種類の感覚様式や情動などの要素を同時に脳内で処理する必要がある。後にひとつの特…

健忘症候群の症状を示す可能性のある疾患(すなわちイコール健忘症候群とはいえない)

・脳血管障害 ・脳腫瘍 ・頭部外傷 ・変性疾患 ・感染症(ヘルペス脳炎、エイズ脳症など) ・代謝疾患(無酸素脳症、糖尿病など) ・中毒または欠乏(サイアミン欠乏によるコルサコフ症候群など) ・てんかん ・精神疾患(解離性健忘、うつ病など)※精神疾患…

安野史彦:海馬セロトニン系と顕在記憶.高次脳機能研究24:119-128,2004

・コリン系・グルタミン系システム:注意・学習・記憶機能など認知過程に関与(Wiklenら1995,Tangら1999) ・セロトニン系:高次の認知過程において重要な役割(Meneses2000)「海馬に限局した後シナプス5-HT1A受容体が顕在記憶機能に対して抑制的な影響を…

作動記憶(Working memory)

健忘症と短気記憶障害では機能の二重乖離がある。 よって、単純に短気記憶が長期記憶の通路というモデルは成立しない。 Baddeleyは短期記憶を、情報を一時的に保持する作業空間と仮定した。 作動記憶の構成 ・中央実行(制御)系(Central executive) ・音…