2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

酒井邦嘉:言語の脳科学.中央公論新社,2002

第5章「言語の脳科学―言語はどのようにして調べられるか」経頭蓋摘磁気刺激(transcranial magnetic stimulation):TMS 1秒に数回〜数十回の刺激でてんかん発作を誘発するおそれあり。 数秒に1回の単発もしくは2発の磁気刺激は、健常者に対して問題ない。…

酒井邦嘉:言語の脳科学.中央公論新社,2002

第3章「モジュール仮説―言語はどこまで分けられるか」(p.64) 意味論の古典的な考えは、「外延(extension)」と「内包(intension)」を区別することである。外延とは、ある意味(概念)の適用できる要素の範囲のことである。例えば、動物の外延は、魚や鳥…

酒井邦嘉:言語の脳科学.中央公論新社,2002

第2章「獲得と学習―人間はチンパンジーとどこが違うか」(p.37) そもそも、言語が何かの必要性から生まれたと考えるのは誤りである。この点は、進化の議論によくある落とし穴だ。鳥の翼は飛ぶために必要なものだが、飛ぶ必要性から翼が進化したわけではな…

酒井邦嘉:言語の脳科学.中央公論新社,2002

第1章:脳―心―言語「脳はどのようにことばを生みだすか」が難問である理由 1) 言語は脳の高次機能の頂点にあるため、ブラックボックスの究極であるから。 「一般に言語はコミュニケーションのための手段だと考えられているが、言語のはたらきはそれだけで…

酒井邦嘉:言語の脳科学.中央公論新社,2002

はじめに (p.鄯〜鄱)「言語」とは『広辞苑(第五版)』に、「人間が音声または文字を用いて思想・感情・意思などを伝達したり、理解したりするために用いる記号体系」とある。一方、「言葉」とは、「ある意味を表すために、口で言ったり字に書いたりする…

Music Batonとかいうものの指名を受けてしまいました

■コンピュータに入ってる音楽の容量は? 計算するのが面倒なのでパスで……。 まあそんなにあるわけではありません。 私は元来それほど音楽を聞くわけではないので……。 ■今聞いている音楽は?Life for Rent(Dido) 聞かれたので引っ張ってきました。 ■最後に…

森田秋子,小林修二:知的機能が失語症患者の基本ADLに与えている影響―レーブン色彩マトリックス検査を用いて―.高次脳機能研究25:26-32,2005

因果モデルを仮定して相関を出す。 モデルに使用した要素は 入院時の年齢(AGE) 発症から入院までの期間(POA) バーセル・インデックス(BI) レーブン色彩マトリックス検査(RCPM) 標準失語症検査(SLTA) 体幹下肢運動年齢(MOA) 上肢機能得点(MFS) …

山鳥重:「わかる」とはどういうことか.筑摩書房;2002

(p.12〜16)事実は自分という心がなくても生起し、存在し続ける客観的現象です。心像は心がとらえる主観的現象です。 われわれの心の働きに重要なのは心像であって、客観的事実ではありません。心像を扱うのが普通の心の働きで、客観的事実は心にとってはあ…

〜いい

「つかいいい」という言葉を時折耳にする。 最近言葉の乱れがなどと口にする当人が使ったりするものだから余計反発してしまう。 何それ? と。 ということで、以前少し考えたアイディアをまとめてみる。1.「つかいいい」の意味は? 意味というのは実に定義し…

作話

「実際に体験しなかった出来事の誤った想起(発話)」 譫妄などの意識障害、内因性精神病などでみられる異常な発話より内容の筋通る。分類 ①出現形式 自発作話(生産性作話):自発的に作話を語る 誘発作話:周囲との会話など外的な刺激に作話を語る 当惑作…

認知神経心理学

脳損傷例の認知機能や言語機能を観察→障害が健常者の機能を表すモデルのどこが損傷している場合に生じるのかを主として研究する

・視野の検査(対座法)

1.検者と被験者は対面して座る。 2.被験者は検者の鼻を見る。 3.検者はこよりや小さいピンを動かして見えたか見えなかったを調べる。

宇野彰:第7章:発達神経心理学とそのリハビリテーションはここまで変わった.高次脳機能障害の臨床はここまで変わった,2002

・発達障害の分類、症候群から特異的障害へと変化しつつある 例) 微細脳機能障害(MBD:Minimal Brain Dysfunction)→ 学習障害(LD:医学ではLearning Disorder、教育ではLearning Disability) 注意欠陥多動性障害(ADHD:Attention Deficit with Hyperac…

辰巳格:第6章:ここまで来た認知神経心理学.高次脳機能障害の臨床はここまで変わった,2002

・読解のモデル DRCモデル:単語の読みに規則性・辞書あり ニューラルネットワーク:規則性・辞書ない ・DRCモデル(Dual Route Cascated Model) 単語をみてから発語が始まるまでの反応時間、頻度効果あり(高頻度語の方が速い)。 規則性効果はない。もし…

第5章:半側空間無視とそのリハビリテーションはここまで変わった.高次脳機能障害の臨床はここまで変わった,2002

1.メカニズム ・眼球運動障害説 眼球運動障害のため左側を充分に検索できないことから起きる。→現在では否定的 ・Kinsborneの説 注意障害説 仮定「左右の大脳半球は対側への注意のベクトルがある」 仮定「左半球のもっている右側に向く注意の方が右半球の…