増本康平,高井恒夫:被験者実演課題を用いたAlzheimer病患者のエピソード記憶に関する研究.神経心理学18:239-246,2002


 アルツハイマー病患者、高齢者、若年者を対象。
言語課題(VT)、言語/道具課題(VT/O)、実験者実演課題(EPT)、被験者実演課題(SRT)を実施。

材料:行為文


言語課題(VT):口頭で提示した行為文を記銘。
言語/道具課題(VT/O):言語提示と同時に行為文にでてくる道具を提示。被験者は道具をみながら記銘。
実験者実演課題(EPT):言語提示と同時に実験者が行為文の内容を実演。記銘。
被験者実演課題(SRT):口頭で行為文を提示後、被験者に行為文で使用する道具を用いて実演。記銘。


1リスト(10項目、若年者のみ15項目)提示直後、口頭による自由再生を求める。


結果:条件ごとの再生成績はどの群においても、良い方からSPT 、EPT、VT/O、VTであった。

考察:運動行為や視覚からの情報を処理する能力がアルツハイマー患者においても保たれていることを示唆。