失行apraxia
Apraxiaの診断
Liepmannの定義
1.運動障害(マヒなど)・了解障害(失語)・認知障害(失認)がないorでは説明できない。
2.課題意図の理解障害(痴呆)・意欲の障害がない。
3.指示された運動や物品使用を誤る。
実際の診断
1.痴呆などとの鑑別が可能。
2.慣習動作とその模倣、物品使用とその模倣において、無反応だけでなく以下の誤りが起きる。
形をなさない無意味な行動
運動が大まかで下手
他の意味のある運動との取り違え
一続きの運動で、その部分行為の間違い、省略、道具や対象との関係の間違い
保続(保続のみでは診断困難)
運動が全く別の筋に出現
失行の病変
皮質のみでなく白質の変化が重要。皮質に限局した病変では失行はあっても軽度。
構成失行(現在3つの意味で使われている)
1.構成障害
視力・視野障害・麻痺・失調・不随意運動がないorでは説明できない構成行為の失敗。
半側空間無視を含む。
2.
半側空間無視などの視覚欠落現象・失行のような高次の視覚・運動障害がないorでは説明できない構成行為の失敗。
3.Kleistの定義による構成失行
構成行為において、運動の失行がないのに構成されたものの空間的形態に失敗する。後反応としては①全体として空間的に誤って配置②各部分は置き換えられる③大証券系が誤る
「kleistの構成失行は、線引きの障害や構成部分の欠落や歪みではなく、その形や部分相互の配置の障害」(最後に示す参考文献p.376より引用)
※構成行為(組み合わせ、組み立て、描画など)
参考文献
坂東充秋:失行の責任病巣.脳神経57:371-379,2005