岡部慎吾,宇川義一:連続経頭蓋磁気刺激の治療の可能性.神経内科64:473-480,2006

疾患ごとに現状に関しての概略

Perkinson病、うつ病統合失調症脊髄小脳変性症、不安障害、排尿障害、書痙、てんかん、疼痛、半側空間無視



おわりに
耳鳴りを軽減し,減煙に成功し,本態性振戦の治療や,多発性硬化症に伴う痙性の改善などにも応用した研究が報告されており,TMSのもつ簡便さを武器に,臨床への応用は想像を超える速さで拡大進行中である.Publication biasもあろうが,応用範囲が拡大し,有用性が高まること自体は非常に大切なことではあるが,TMSあるいはrTMSの臨床応用,とくになんらかの患者に対する治療効果を研究対象とした場合,治療効果の再現性の確認と,適切なsham刺激方法との比較をしているかどうかの2点が今後検討されるべき最重要点課題である.今後は,エビデンスレベルの高いrandomized controlled trialによる有効性判定が不可欠であろう.