山鳥重:ヒトはなぜことばを使えるか 脳のふしぎ.講談社,1998

こころ 「心を定義するのはなかなか難しい。無理を承知でやっつければ、脳が自己の内部からの物理化学的な神経情報(自律神経系や筋肉・骨格系からの神経情報)や、外部からの物理化学的な神経情報(皮膚、味覚、嗅覚、聴覚、視覚などからの神経情報)を処理…

山鳥重:ヒトはなぜことばを使えるか 脳のふしぎ.講談社,1998

「動物の心の動きは行動(運動)に現れる。行動は決して特定の刺激に対する反応ではない」(p.6)「失語症の症状はそのような複雑に入り組んだ、脳・心・ことばの関係を探る貴重な窓である。有機体たる人間は、自分の脳が損傷し、その結果出現した心や言語の…

『言語と脳』抜粋(2)

杉下守弘:『言語と脳』紀伊国屋書店,1985 (p.11,12) ピポクラテス集典はさらにつづけて、心臓が精神の座でないことを、次のように説明している。「ある人びとは、われわれは心臓でものを考えるという。また、苦痛を感じたり悲しんだりするのも心臓である…

『言語と脳』抜粋

杉下守弘:『言語と脳』紀伊国屋書店,1985 (p.10‐12) 精神の座は脳であるとする話は紀元前約五世紀頃、アルクマイオン(alkmaion)によって唱えられたのが最初であるといわれている。しかし、彼はまた、脳は精液を産出する器官であるという奇妙な珍説を受…

アルコール

「アルコールが血液中に入りこむことによって中枢神経が麻痺させられ、この重要な伝達物質が抑制される。しかし脳は当然働かなくてはならない。だからその微かな伝達物質を受け取らなくてはならぬために、受容体は非常に敏感になる。状況に適応して行くわけ…