久保田博南:電気システムとしての人体 からだから電気がでる不思議.2001,講談社

1.心臓
発見
1628:W・ハーヴィー(イギリス)が血液が循環していることを発見
1733:S・ヘイルズ(イギリス)が初めてウマの血圧を測定
1857:J・マイヤー(ドイツ)が血液の酸素運搬を発見
1903:W・アイントーフェン(オランダ)が初めて心臓で発生する電気を測定
1967:D・コーエン(アメリカ)が初めて心臓の磁気を測定


細胞
分極:細胞内と細胞外に100ミリボルトの電位差あり(静止状態)。細胞内は細胞外より低い電位。
脱分極:細胞内の電位がプラス電位に転ずること
細胞内はK+、細胞外はNa+が濃く含まれる。

ナトリウムイオン細胞内に→脱分極→カルシウムイオン細胞内に→脱分極状態を保つ→カリウムイオンが細胞外に→分極状態に

洞結節
右心房の上、上大静脈の開口部前方にある
ペースメーカー
同調律:約1秒に1回の脱分極

興奮伝導系、刺激伝導系
洞結節→心房→房室結節→ヒス束→脚部→プルキンエ繊維→心房細胞

心電図
心電図波形:PQRST波
心筋梗塞:(p.54)
 心筋に血液が行きわたらなくなる(専門用語で虚血という)と、壊死といって組織が破壊されてしまう部位が発生する。すると、心電図上ではR波が小さくなったり、S波からT波の部分がプラス方向にもち上がったりして(ST上昇という)、心筋梗塞としての特徴的な変化が現れる。
 というのは、梗塞部位では脱分極が不完全で電位が上がらないため、見かけ上マイナスとなる。さらに、そのマイナス分だけ正常部位から電流が流れ込んで、STレベルを上昇させると考えられている。
 R波の波高が小さくなる割合は、梗塞が起きている範囲が大きいことを示す指標となる。



血液循環
右心房→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房→左心室→大動脈→動脈→毛細血管→静脈→大静脈→右心房
交感神経緊張:心臓の機能促進
副交感神経緊張:心臓の機能抑制
※ 交感神経緊張→カテコルアミン(アドレナリン、ドーパミンなど)分泌。副交感神経→アセチルコリン分泌。どちらも心臓の促進抑制に関わる。(心臓のコントロールの系統は複数あるということ)

最大心拍数(回/分)=220−年齢

胎児の心臓
胎内にいる時は肺呼吸せず。右心室の血液は肺にいかず、卵円孔から左心房へ流れる。
生まれると、瞬時に卵円孔が閉まり、肺呼吸が開始される。

2.肺
発見
1857:マイヤーが血液の酸素運搬を発見
1957:クラークが酸素測定電極の開発

3.脳
脳波
α波:周波数8〜12Hz(ベルガーリズム)、リラックスしているときにでる
β波:周波数13〜26Hz、緊張、不快感あるときにでる
θ波:周波数4〜7Hz、睡眠中などにでる
δ波:3Hz以下、深い睡眠中、昏睡状態にでる

脳死の定義
脳死とは脳幹を含む全脳の不可逆的な機能喪失の状態である」(日本臨床神経生理学会)