山岨達也:耳生帯状疱疹.CLIENT21―21世紀耳鼻咽喉科領域の臨床―4.外耳・中耳,39―40,中山書店,2000


・Ramsey Hunt症候群


 外耳の帯状疱疹
 顔面神経麻痺
 第Ⅷ脳神経症状(耳鳴・難聴・めまいなど)


上記の三徴候すべてそろう→完全型
上記の三徴候どれかひとつ欠ける→不全型



顔面神経麻痺患者の10〜20%を占める
すべての年齢層に発症


病因:水痘・帯状疱疹ウィルス(Varicella-zoster virus:VZV)の潜伏感染の再活性化


・症状

初発症状
 耳痛、耳周辺部痛、半側顔面痛、後頭部痛、舌根部痛(これらは疱疹後神経痛として残ることあり)
 顔面神経麻痺の初発は2割、第Ⅷ脳神経症状の初発はまれ


外耳帯状疱疹:8割にみられる


発赤・浮腫状隆起(神経痛様疼痛出現の数日以内)、その上に小水疱、ときに膿疱が多発→数日後びらん、痂皮形成、軽度の色素沈着


顔面神経麻痺:出現8割、完全麻痺となること多い
第Ⅷ脳神経症状:出現5割。単独はまれでほとんど耳鳴や難聴を伴う。耳鳴は高調性、めまいは様々(回転性、動揺性、浮動性など)


・治療
局所の治療、合併した第Ⅶ、Ⅷ脳神経症状に対する治療


・予後
発症2ヶ月後までに治癒。


顔面神経麻痺50%強が完治。
40%は軽〜中等度の麻痺が残る。
30%に病的共同運動などの後遺症


聴力は改善すること多いが高度難聴・聾をきたした場合は改善しにくい。